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5月活動日誌
羅須地人鉄道協会

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・恒例の蒸気機関車運転
01053884.jpg毎年5月に行われる恒例の蒸気機関車の運転が、今年も5月3日・4日・5日の3日間実施されました。
3日は雨模様の天気でしたが、4日・5日は初夏を思わせる絶好の行楽日和となり、多くのお客様に蒸気機関車の旅を味わっていただきました。
おいでいただいた方々の笑顔は、われわれの活動の原動力です。今回もたくさんの原動力をいただきました。どうもありがとうございました。

 
・フラットカー1502再び客車化改造
0105t283.jpgまずは営業運転に先立ち客車の準備です。
普段は資材運搬に使用されているフラットカー1502ですが、昨年に引き続き、今回も椅子が取り付けられ客車に変身しました。

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前回はいすの固定にレールと針金を用いていましたが、今回は床にいす固定用のアングルが取り付けられ、それをターンバックルで固定するという、より信頼性の高い方法に変更されました。取り外しもターンバックルを緩めるだけでよく、お客さん用のいすが、夕食時には羅須宴会のいすにも活用されたりと重宝しました。

まきば線にはこの1502のほか、同型車で普段から客車として使用されている1501があり、5月などの多客時にはこの2両で営業運転を行ってきました。前回までは機関車1両に対して客車1両の編成を2編成で対応していましたが、今回は客車を2両編成にして、予備機関車を機関庫に待機させておくという運転形態に変更しました。乗降位置とブレーキの関係から1502を方向転換する必要があったため、3日午後デルタ線を使って方向転換を行いました。
ちなみに、まきば線のデルタ線の引き上げ線は1502の全長より有効長が短いため、方向転換に困難が伴うものという予想もありましたが、そこはいつもの羅須仕事、知恵と勇気※で乗りきり、無事方向転換を果たしました。

※ただ単に片方の台車をレールの途切れた先のアスファルトの上に乗り上げただけですが、知恵と勇気(と思い切り)が必要な作業でした。

0105t290.jpgまた、1502には台枠のたるみを防ぐためのターンバックルが取り付けられていませんでした(1501にはすでに取り付け済み)が、今回の期間中にターンバックルの製作・取り付けも行われました。
なお、1502は5日の営業運転終了後には再びいすが取り外され、もとの“フラットカー”に戻っています。


 
・いよいよ営業運転開始
01053849.jpg3日は朝から雨模様。でも担当乗務員となったU太さん・みくさんのお二人は朝早くから起き出して、雨具を着込みながらも3号機のお世話に余念がありません。営業開始1時間前にはすっかり圧力も上がり、今や遅しと出発を待ちます。

しかし雨のため、ゆめ牧場自体の入場者が少なかったようで、この日は結局50人ほどのお客さんにご乗車いただいただけでした。しかし、そのご乗車いただいたお客さんのほとんどは雨の中、「傘をさしてでも乗りたい!」という熱烈なお客さんばかりで、わたしたちものどかながらも張り合いのある運行となりました。


しかしそののどかなお話も3日限り。翌4日からは天候がよかったせいもあり、多くのお客さんがゆめ牧場においでになり、まきば線も大盛況でした。
4日・5日とも乗車を待つお客さんの列は終日長く続き、一時は列の長さが100m以上、待ち時間も1時間に達するなど、ディ○ニーランドやユニバー○ルスタジオのアトラクションにも負けず劣らずの人気アトラクション(←いいすぎ)となっていたのでありました(笑)。

もちろん、わたしたちも無為にお客さんをお待たせしていたわけではありません。今回から蒸気運転日限定の“運転司令”を設置、システマチックに運行管理を行い、まきば線営業時間の朝10時から午後4時まで、ほとんど10分ヘッドの運行を行いました。10分ヘッドの維持のため、乗り場ではお客さんの乗降が終われば即発車、給水給炭もF1ピット並のスピードで行うなど大活躍しました。
また、営業終了時間の午後4時になってもまだ並んでいただいたお客さんのために臨時列車も多数運行しました。しかし当初予定では4時からは鉄道ファンのための撮影用重連列車を運行する予定になっていましたので、午後4時からはなんと重連で営業、なんとも豪華な臨時列車となったのでありました。
その結果、4日は営業列車だけで49列車が運行され2,154人にご乗車いただき、5日は51列車が運行され1,950人のお客さんにご乗車いただきました。
10分おきにやってくる列車に、豊Nさん曰く「1日の通過トン数は久留里線より多いよ!」とのことです。


満員のお客さんを乗せ「出発進行!」


 
・記念撮影ポイントとしても…
お客さんの乗降の間、乗り場に停車中の蒸気機関車の前には、親子連れが代わる代わる立って、絶好の記念撮影ポイントとなっていました。
中にはいくらお父さんが「こっち向いて〜」と呼んでも、ず〜っと機関車のほうばかり見ているお子さんもいてほほえましい光景が、終日展開されていました。

 
・ここは竜ヶ森かセノハチか?!
お昼からの1時間はメインの3号機に代わり6号機が登場します。ところが、3号機に比べ、6号機は同型機関車でありながらその運転特性は3号機と大きく異なり、低速時のトルクも細くなっています。そこで運転司令はお昼の3号機から6号機への機関車交換の後も、“もしも”の場合にはフォローが出来るように3号機を本線に残しておいたのでした。
4日には苦労はしましたが無事営業列車牽引の大役を果たした6号機ですが、コトは5日に起こりました。
前日と同じように、6号機が牽引する列車に満員のお客さんが乗りこみいよいよ出発です。乗り場付近は下り勾配のため、あまり力はいりません。しかしその先のΩカーブを抜けると木橋に向けての上り勾配が始まります。
始めは6号機も順調に勾配を上り、3号機も列車の後方20mくらいの位置について6号機を見守っていました。ところがもうすぐ木橋、あともう少し!という一番勾配の厳しいところで力尽き止まってしまったのでした。
さっそく後ろに控えていた3号機が後押しを試みますが、まきば線最急勾配でのお客さん満員の列車の引出しはさすがに難しいようで列車は動きません。汽笛で合図しながら一旦勾配の緩い踏み切り付近まで戻り、再スタートを切りました。今度は3号機も後押ししながらの走行ですから、難なく勾配を上りきり、無事1周することが出来ました。
これまでまきば線では意図的に重連運転をすることはしばしばありましたが、後補機は初めてであり、しかも予定外の運転となりました。
しかしこのハプニングも、お客さんたちも笑顔で見守り、撮影に来ていた鉄道ファンの方々は思わぬシャッターチャンスに大喜びし、運行していた乗務員たちも日頃の運転技術のすべてを出しきって満足し、みんなが楽しんだものとなりました。
また、ちょうどお昼ご飯を食べていたその他の羅須地人にはまたとない“おかず”となり、「おお、往年の竜ヶ森※を思い出すなァ」とか「いやいやセノハチ※だよ、セノハチ」など、かつての名撮影地に思いをはせていました。
また、当時6号機のレギュレターを握っていたS木氏はそのときの状況を次のように語っています。
「いやぁ、6号機の特性を忘れてて3号機のつもりで勾配をのぼってしまったのが敗因です。いやぁ、失敗、失敗。」
しかしS木機関士も次の列車からはこの教訓を生かして、無事、単機で運行したのでした。
今後、6号機を担当する方、こういう機関車ですから気を引き締めておねがいしますね。

※竜ヶ森:国鉄花輪線竜ヶ森付近のこと。急勾配が続き日常的に後押しの補機がついた。
※セノハチ:山陽本線瀬野・八本松間のこと。山陽本線最急の勾配があり、これまたほとんどの列車に後押しの補機がついた。


 
・今年も鉄道ファン大集合
今回は鉄道ファン向けの撮影用列車の運行を企画したり、事前に運転予定を発表したこともあり、例年になく多くの鉄道ファンの方にお越しいただきました。
特に、今回は鉄道ファンのみなさんへの撮影用として、重連運転や予備機関車を使っての蒸気機関車+ナベトロ編成、酒井101号機+立山トロッコの“立山編成”なども運行され、みなさんさかんにシャッターを押していました。なんといっても10分に1本に来ちゃうわけですから、予想以上にフィルムを消費してしまった方などもいらっしゃたようで、うれしい悲鳴も聞こえてきました。

また、撮影中の方々のもとに事務局長がカンパ缶を持ってお邪魔しましたが、みなさん快くカンパに応じていただきました。その場で「1号機レストア寄付」にご寄付いただく方もいらっしゃいました。カンパいただいた方、本当にありがとうございました。みなさまのご寄付・カンパはレストアや機関車運行のために有意義に使用させていただきます。

また、おいでくださいね〜!


 
・まきば線は撮影だけではありません?!
羅須のメンバーではありません。
撮影にきた一般の鉄道ファンです。
でもサマになってます。
今回は列車の合間に保線作業も行われましたが、3日にはたまたま撮影にいらしていた方にも“タイタンパー体験”までしていただきました。
保線作業を横から撮影している鉄道ファンの方がいらしたので、保線作業をお誘いしましたら、始めはしりごみされていましたが、いざやってみると、面白そうにタイタンパーを操作されていました。
どうです? 保線って見てると大変そうだけどやってみると面白いでしょ!
今度は運転日だけでなく、保線作業の日にもおいでくださいね。

 
・夜間撮影会も開催!
4日夜には一般の鉄道ファンの方々もOKの夜間撮影会が行われました。
午後7時から6号+3号の重連に1502と1501を牽いた列車がまきば線を走り、それを普段工事で使っている投光器で照らし出しました。要所要所では長時間露光のための長時間停車をしながらまきば線を数周しました。

こういう催し物は羅須内部ではよくやるのですが、一般の方も一緒になっての撮影会は初めての試みでした。しかし、ご参加いただいた方々からは大変ご好評をいただきましたので、今後も機会を見て実施していきたいと思います。ご期待ください。

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夜の重連列車


 
・機関士の服装も
実は羅須の作業時の服装は、各自がそれぞれのセンスで選んでおり、一般的な作業着からつなぎ、ジーンズなどさまざまな格好で活動をしており、特に規制はしていませんでした。ところが、「M○TSUBISI」とか「S○ZUKI」なんて大書きされた作業用つなぎを着て乗務すると、3号機6号機ともキャブ(運転席)が丸見えで、あまり写真写りがよくないのです。そのため今回から乗務が予定されているメンバーの間で「機関士らしい格好をしてこよう」という取り決めがなされました。
ということで、今回は縦じまオーバーオールのアメリカンスタイルから日本伝統のなっぱ服まで、それぞれのセンスでいろいろな服装の機関士が登場しました。
撮影されたみなさん、今回は前回よりもカッコイイ写真が撮れたと思いますが、いかがでしたか?

 
・車両整備も着々と
・酒井DL102号機
エンジントラブルのため休車状態だった旧立山砂防軌道の酒井重工業製ディーゼル機関車102号機ですが、このたび故障した部品の交換および油脂類交換、エンジン・車体各部の清掃が行われ整備が進んでします。5日午後には軽快なエンジンオンを響かせて、久しぶりに本線を走行しました。
このあと102号機は引き続きのエンジン調整とともに再塗装が行われ、復帰する予定です。

・1号機
近日中に迫ったロッド組み付けに先立ちシリンダーブロックまわりの錆び落とし、清掃が行われました。
また、漏水個所が見つかったボイラーも修理のため、ゆめ牧場から某所のボイラー工場へと運び出されました。このあと工場で修理をお願いする※ことになるとは思いますが、“物理的”“金銭的”に修理可能かどうかの壁が立ちふさがっていて予断を許しません。
修理個所が小さくて、費用も余りかからなくて済むことを祈りましょう。


※その後1号機のボイラーは5月17日に無事工場入りしました。
ただし、診断と見積りはこれからです。ひやひやです。

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0105t276.jpg・ナベトロも小改良
普段砕石輸送にお風呂にと大活躍のナベトロですが、連結器のリンクが外れやすいのと、土砂を積むバケット部分の固定金具が外れやすいのが玉に傷でした。かつて糸魚川時代には誤って生コンをぶちまけたこともありましたし、4月の保線工事の際も、分岐器を通過する際のショックでバケットの固定金具が外れ、砕石を“おもらし”してしまったばかりです。しかし今回撮影用に日中のまきば線を走行することとなり、まさかお客さんのいる所で連結器がはずれ暴走したり、バケットが倒れ積載物をダンプしてしまうわけには行きませんので、改修工事が行われました。
おもな改良点は、
・連結器のリンクのはずれ止めのピンの増設
・バケット固定金具の形状変更およびはずれ止めのピンの増設
などです。
外見的にはよく見ないとほとんどわからない改良ですが、格段に安全性・信頼性が増しました。これで安心してナベ風呂に入れますね(ん?なんか論点がずれたかな?)。
・羅須地人保線協会も活躍
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前回も大掛かりな保線工事を行い、ますます意気盛んな羅須地人“保線”協会ですが、今回も朝や夕方や、日中も営業列車の合間を縫って、前回敷きなおした個所を中心に修正作業などの保線作業が行われました。
特に普段はなかなか保線作業が人目に触れることがないのですが、今回のようにお客さんが多いときに犬釘を打ったりタイタンパーを操作したりしていると、親子連れや鉄道ファンの方などがしげしげと見物されていきます。
実は保線作業って結構おもしろいアトラクションだったりして…。

  
前回作業部分の路盤の肩を直したり、
新規設置の分岐器のクロッシングを微調整したり…


 
・ナベトロ列車、ほんとに砕石輸送
5日には保線作業も白熱(?)してきて、さらに砕石が必要になってきました。そこで本来撮影用アトラクションのはずだったナベトロ列車に砕石を積載し、保線現場までの輸送も行われました。
このときも乗り場にはお客さんの長蛇の列があり、10分間隔で走る旅客列車の合間を縫っての運行となりましたが、パワーショベルでの積載時には多くのお子さんがその様子を食い入るように見つめ、散布場所では鉄道ファンの方がしきりに撮影していました。
考えてみれば、最近の工事現場はすべて隔壁で囲われ、お子さんたちが実際にパワーショベルを見る機会も少ないでしょうし、もちろん、土砂の輸送に軌道とナベトロを使っているのはおそらく日本でもここだけでしょうから、鉄道ファンの方々にとっても珍しかったのでしょう。

 
・まきば線写真展も開催
まきば線の蒸気機関車運転と同時に羅須地人メンバーの高橋卓朗氏のまきば線写真展が、ゆめ牧場多目的ホール「ビックバーン」で行われました。
これまでに氏が撮りためた数多くの写真の中から20枚を厳選し、四季それぞれのまきば線の風景が感じられる展示となりました。
来場者には好評のようでしたが、高橋氏曰く「まだまだ改善の余地がある。もっとメリハリをつけた展示にしたい」と次回への意欲を燃やしていました。

 
<積み残し>
・なべの季節
もうすっかりまきば線の恒例行事となったナベ風呂ですが、もちろん今年もやりました。
今回は従来の蒸気ブレーキ管からの蒸気によりお湯を沸かす方法のほか、インゼクター※のオーバーフローを利用した給湯方法や火を落としたボイラーの排水弁からの給湯も試行され、それなりに効果をあげることに成功しました。
ちなみに気持ち良く入浴しているのはT田氏。

※インゼクター:蒸気の力でボイラーに給水する装置。
 


 
・羅須系飲食店“ゆめ”の競演
今回はアタゴウル亭、赤坂may-w1、飯田橋主水、内山食堂、菊田食堂などの羅須系飲食店が大活躍、連日大宴会となりました。特に3日・4日・5日は普段入っている車両たちにちょっとどいてもらって、毎晩機関庫で大宴会でした。連日レストア中の1号機台枠を見ながら、汽車話で大盛り上がりでした。
もちろん、いつもの野筵坊御亭主も、普段の「野筵坊」の営業はありませんでしたが、姉妹店「朝めし屋山猫軒」と「夜食処かま猫軒」の営業をしていただき、皆、美酒美食に酔いしれました。
食材の調達や調理にご苦労いただいた皆様、おいしい料理をどうもありがとうございました。

 
・“やんちゃな七面鳥”も列を成し(空瓶が…)
今回の活動は、いつもの生ビール、缶ビールのほか、野筵坊御亭主により、3日夜、なんとワイルドターキーが5本も持ち込まれました。これは、最近羅須地人“保線”協会で大活躍中の豊Nさんが“大”のバーボン好き、しかもワイルドターキーが一番好きでいくらでも飲めるという情報に、これまたターキー好きの御亭主が「一緒に呑もう」と応えたものです。
まきば線での宴会ではこれまでバーボンを飲むようなことが少なかったこともあり、あまりさすがに5本もあれば十分持つだろうという大方の予想でしたが、それをあっさり裏切り、5日夜には5本ともすっかり空になってしまったのでした。しかもその大半はどうも少数の人(一人といううわさも…)の喉に吸い込まれていったようです。
ちなみに毎晩宴席にいたA場氏はこう語っています。
「ボクは見ちゃったんです。ボクが水割り1杯空ける間に(ピー)さんがロックを1杯空けちゃうのを。しかも、そのグラスたるや、実はビール用のゴブレットで、1杯にターキー200ccくらい入っているようなやつなんです。その上(ピー)さんたら『チェイサーにビールでも飲もうかな』とか言ってたんです。しかも、それが3晩続けてなんです。確かにボクも酔ってましたけど、これだけは間違いありません。ホントなんです!(プライバシー保護のため一部音声を変えてあります:事務局)」
まあ、誰がたくさん飲んだかはともかく、おいしいお酒をどうもありがとうございました。またよろしくお願いしますね、野筵坊御亭主!

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