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7月活動日誌
羅須地人鉄道協会

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・新1号ボイラー完成、まきば線に!!
大阪の楠ボイラ株式会社様に製造をお願いしておりました1号機用の新ボイラーがいよいよ完成し、このほどまきば線に運びこまれました。
当初1号機のレストアにあたり、ボイラーはもともと搭載されていたものを使用する予定でした。しかし、水圧検査を行うと、あちこちに水芸の如く漏水個所が発見され、また専門家の診断でも「悪いことは言わない、このボイラーを使うのは止めたほうがいい」とのお言葉もいただきました。
とはいえ、新たにボイラーを製造するのは素人には無理な話ですし、専門メーカーにお願いしても、蒸気機関車型のボイラーを製造する技術を持ったメーカーはほとんど無く、また出来るとしても、数千万円はくだらないというお話も聞こえてきます。いっそ、中国や東欧にでも発注しようかとも思いましたが、日本では認可もとれないらしいとの話も聞き途方にくれておりました。事実、国内の某ボイラーメーカー様からは「3千万円」などという、もはや趣味の範囲を越えたお値段のお見積もりもいただきました。
ところが、いろいろな方のご紹介などもあり、いくつかのボイラーメーカーにお見積もりの依頼をしていたなかで、大阪の楠ボイラー株式会社より、他のメーカーに比べ、割安な価格でのお見積もりをいただくことが出来ました。これは社長の楠さんがわれわれの活動に賛同していただいた結果、出していただいた特別価格でした。
このような経緯で楠ボイラー株式会社様に1号機のボイラー製造を請け負っていただけることになりました。
 

昨年9月に製造をお願いして以来、約10ヶ月での引き渡しとなりましたが、楠ボイラー株式会社様には特殊なボイラーということでその設計・製造には様々なご配慮をいただき、またわれわれのわがままも聞いていただきました結果、大変素晴らしいボイラーが出来あがりました。
もともとの1号機のボイラーはリベット構造のボイラーでしたが、そもそも蒸気機関車用の小型ボイラー自体、今のこの平成日本にはほとんど需要が無く、認可が取れる蒸気機関車型小型ボイラーを製造できるメーカーがほとんど無い上に、もはやリベットでボイラーを製造できる技術者がいないということで、今回製造したボイラーは溶接構造となりました。しかし、その代わりに使用圧力10kg/cm2の高圧ボイラーとなりました(3号機・6号機は6kg/cm2、11号ポッターは10kg/cm2)。

7月10日、大阪の楠ボイラー本社工場にて引渡しとなった1号機ボイラーは、スケッチ用にお預けしてあった旧1号機ボイラーとともに、技師長の4トントラックに積みこまれましたが、この日は大型台風6号がまさに関西・東海・関東へと縦断している真っ最中であり、あちこちの高速道路の通行止めをかいくぐり、技師長曰く「台風に追いつかれないように」東へ東へと関東地方へと向かったのでした。しかも途中、大井川鉄道に立ち寄り、なべとろ1両も積みこんで。技師長お疲れ様でした。

そして7月13日、いよいよボイラーを積んだトラックがまきば線に登場、トラックの荷台に並ぶ2本のボイラーにメンバーの頬も緩みっぱなしでした。
午後になり、レストア中の1号機の台枠が引き出され、その上にボイラーが載せられました。まだ、仮搭載ですが、なんだかぐっと蒸気機関車らしくなりました。

このボイラーは、われわれの想いだけではなく、1号機動態保存化にご理解をいただきカンパをいただいた方や、われわれの無理な注文もいやな顔ひとつせず受けていただいた楠ボイラーの皆様など、多くの方々のご理解・ご協力があったからこそここまでたどりつけたものです。このような皆様の期待に応えるべく、1号機の復活にもよりいっそう力を入れて取り組んでいく予定です。
 



機関庫に4台並んだ蒸気機関車に囲まれ
感慨にふける代表幹事と技師長のふたり

・なべとろ入線
このほどまきば線に新たな車両が仲間入りしました。「なべとろ」です。
この車輛ははるか九州の地で蒸気機関車C11とともに保存されていましたが、もとの所有者と大井川鉄道その他のみなさんのご配慮により、まきば線に入線することになりました。
「新たな」と言っても、少なく見積もっても製造から4〜50年は経っていそうな車両ですが、貴重な車輛ですので、まきば線で大切に保存していく予定です。
おそらく建設現場で働いていたのでしょう、連結器も無く、あちこちにコンクリートがこびりつき、鉄板にも錆びなどで穴があいているなど、状態は決してよいものとは言えませんが、しかし手押しで転がしているとなんとも言えない風情があります。きっちりさび落しをして塗装するのもいいのですが、そのままクリアコーティングして、この風情のまま保存するのも捨てがたく、悩ましいところです。
 

・旧1号ボイラー展示保存へ
新しいボイラーが完成したことにより、第一線を離れることになった旧1号ボイラーですが、このほどまきば線に展示されることになり、尾小屋鉄道からやってきた腕木式信号機のわきに安置されました。
このボイラーは、製造メーカーすら不明ですが、リベットで組み立てられた現存する小型ボイラーとしては大変貴重なものです。老朽化が進み漏水個所が多く、もはやボイラーとしての使用はできませんが、形態は保たれており、戦前の小型ボイラーの姿を今に伝える生き証人として保存を続けていきます。
線路わきからレストアされた1号機の活躍を見守ってくださいね。
 

・5号機台枠オリジナルの位置へ
このほど5号機の台枠がオリジナルの位置に戻されました。
この5号機はかつてまきば線の近くを流れる利根川の河川工事で使用されていたディーゼル機関車ですが、初めて羅須地人の仲間入りをしたときに、再起不能であったオリジナルの4気筒エンジンの代わりに6気筒エンジンを搭載したため、台枠の前部が前方にずらされていました。
それがこのほどレストアをすすめる際に4気筒エンジンの入手のあてがついたため、オリジナルの位置に戻すことになったものです。
ボルトの穴の位置を合わせるのに少々苦労をしましたが、施工も無事おわり、レストア作業に弾みがつくものと思われます。
 

・厨房にカウンター
われわれの活動のモチベーションの少なくない部分をバックアップするまきば線の厨房ですが、このほど大きなカウンターが搬入されました。これにより「ダイニングキッチン」化(一部ではバー化とも?!)が加速するものと思われます。このカウンターは、われわれのメンバーの多くがお世話になっている蕎麦屋「飯田橋主水」が改装の折り、不要になったもので、主水ご主人のご好意によりご寄付いただいたものです。
ご主人、どうもありがとうございました。
 

 

・台風の風雨により施設一部損壊!
各地に大きな被害をもたらした台風6号ですが、まきば線にも大きな爪あとを残しました。
普段メンバーが宿泊施設として使用しているプレハブ小屋の壁が、激しい風雨に晒され一部はがれてしまいました。もともと施設自体が老朽化していたこともありますが、われわれにとっては無くてはならない施設です。さっそく修理が行われ、壁にあいた大きな穴は無事修復されました。
わたしたちは保存鉄道団体ですが、その運営には「建築技能」も必要なのです(笑)
 

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